Uber Eats、出前館、MENUなど、フードデリバリーサービスが広く普及している昨今。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響もあり、一気に利用者も増加した。家にいながら、食べたい料理を運んで来てもらえるわけだから、利用者にとっては便利このうえないサービスにも思えるが、なかには「フードデリバリーを一切利用する気はない」とい人もいるようだ。そこには、どんな言い分があるのだろうか。

 都内に住む30代会社員の女性・Aさんは、デリバリーサービスを「利用したことがないし、今後も利用する予定はない」と話す。

demaekan

「普段絶対行けないようなお店のものならまだしも、料金を上乗せして、ファストフードなどの安いメニューを宅配してもらうという発想は私にはありません。ファストフードは安いからいいのであって、わざわざ高いお金を払って食べるという感覚は意味がわからない。それなら、自分で買いに行けばいいし、コンビニで買ってもいい」

 デリバリーサービスで注文する場合、店舗によって異なるが、店頭での販売価格より商品価格が高く設定されることが多い。そのうえで、デリバリーサービス側の「サービス料」や「配送手数料」が発生するシステムとなっている。その結果、通常価格から3~5割増しくらいの価格になる場合が多い。

「私の場合、住んでいるところの周辺にたくさんお店があるという事情もあるんですが、仮にお店がなかったとしても、デリバリーを頼んで上乗せ料金を支払うのはイヤですね」(Aさん)

 住んでいる場所の問題で、デリバリーサービスを利用しないという人もいる。都内在住の40代会社員の男性・Bさんは、こう話す。

「私が住んでいるマンションの入り口が細い路地を入った奥にあって、とてもわかりにくい。初めて行く人は、大抵入り口にたどり着けないんです。過去にデリバリーサービスを利用したこともあるんですが、場所がわからないと宅配員さんから電話がかかってきて、結局自分が大通りまで出て迎えに行くことが何度かありました。家から出たくないのにデリバリーしているのに、これじゃあ意味がないなと思って、もう利用しなくなりました」(Bさん)

過去のトラブルが原因でデリバリーを避けるように

 以前は頻繁にデリバリーサービスを使っていたものの、今では一切使わなくなったという人もいる。神奈川県に住む30代自営業の男性・Cさんは、こう振り返る。

「とあるデリバリーサービスでハンバーガーとドリンクとポテトのセットを注文したときなんですが、マンションのエントランスの郵便受けあたりに“置き配”してもらうように指定したんです。で、配達が完了したという通知が来たので行ってみたら、紙袋の中がグチャグチャになっていたんです。ドリンクは倒れて中身がこぼれているし、ポテトも袋のなかでひっくり返っている。誰かのいたずらだったのかもしれないし、配達員が乱雑に扱ったのかもしれない。ちゃんと自分で受け取る設定にしなかった自分が悪いとはいえ、すごく後味が悪かった。それ以来、デリバリーサービスは使用していません」(Cさん)

 また、緊急事態宣言中は頻繁に利用していたが、その後は利用しなくなったというのは、都内に住む30代の女性・Dさんだ。

「自粛期間はほとんど家から出ず、デリバリーばかりに頼ってました。すると、見事に2か月で7kgほど太ってしまったんです。これはヤバイと思って、今はデリバリー断ちをしています。

 自粛期間だったから仕方ないとはいっても、やはりデリバリーを頼みすぎると怠惰になってしまう。自炊をすれば節約にもなるし、わざわざ高いお金を払ってデリバリーを使う必要はまったくないと思うようになりました」(Dさん)

 食事に行く時間が取れないほどに忙しい人や、何らかの事情で外出が難しい人にとっては、とても便利なデリバリーサービス。ただつい数年前までは存在しない隙間産業であることを考えれば それほど食事に行けない状況や作れない状況は冷静に考えれば「ない」と答えるユーザーばかりである。
しかも必ずしもすべての人が便利に使えるサービスではないのも事実だ。メリット、デメリットをしっかり見極めて、今 利用しないを選ぶ消費者の言い分に理がかなっているというところか。